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2014年3月30日 (日)

アイリッシュあるいはウールリッチ

ヒチコックの『裏窓』というサスペンス映画はビデオで観たのかな。脚を骨折したカメラマンがアパートの自室でギブス暮らし。暇があるのと持ち前の好奇心から裏窓を通して他人の生活を覗き見るようになる。そしてある晩、裏庭の向かいのアパートの一室で起こった殺人事件を目撃する。と言っても殺人の現場を見たわけではないが、奥さんがその日を境に見えなくなり、旦那が不審な行動をする。これは殺人にまちがいないと、恋人や友人の刑事に調査を頼むことになるわけ。その恋人役がグレース・ケリーで、こんなに清楚で美しい人がこの世にいるのかと思うほど美しい。その恋人から結婚を申し込まれながら、なぜか躊躇する主人公はジェームズ・スチュアート。お前さんちょっとおかしいよ。こんなに綺麗なひとが夢中になっているのにこの男、何考えとんねん。このグレースが向いの怪しい男の部屋に裏庭からよじ登って行くスリルがまたたまらん。

Rearwin

この映画の原作者がウイリアム・アイリッシュ、またの名をコーネル・ウールリッチでGGサンが最近読んでいる作家です。

この作家の本を読みだした理由は『ゴルゴ13』にある。SPコミックスの第52巻に「クリスマス・24アワーズ」というエピソードがあり、その中にホテル探偵ドールという若い女性が登場する。ゴルゴに対決するドールが気に入ったし、ホテル探偵という職業に興味を持った。我が国では聞いたことはないが、欧米の大きなホテルでは職業としてあるらしい。ゴルゴの作者〝さいとう・たかを〟が見つけてきたのかな思ったがネットで調べると『ホテル探偵ストライカー』なる本があった。この本の作者がコーネル・ウールリッチ。そして図書館で探したらありました。

こちらは『913号室の謎』のタイトルで書かれた中編の2部作。ニューヨークのあるホテルが舞台。だいたいアメリカのホテルなんかではどの階でも13のつく部屋は無いはずなんだが、なぜかこの話のホテルにはあって、その913号室に泊まった客が夜中に次から次と飛び降り自殺を図る。まあ、読みだしたらやめられない。調べても調べても、どの客も自殺する動機がないのに9階からジャンプしている。ついには原因究明のためホテル探偵ストライカー自身が身分を隠して泊まり込むことに。さて、夜中にいったい何が起こるのか?

Room913
「913号室の謎」が掲載されたパルプマガジン

ウールリッチは1930年代から50年代にかけて活躍した作家なので、7,80年も昔に書かれた作品なんです。

GGさんが次に読んだのが白亜書房から出ている傑作短編集全6冊のうちの1冊目。本のタイトルは「砂糖とダイヤモンド」。発表年代順に編集された短編集なので一番初期の作品ですね。九つの短編が収められている。

訳者あとがき門野集氏の言葉によると、
強烈なサスペンスと情感あふれる独特な作風の短編小説

もうひとりのあとがき原尞氏の言葉では
彼ほど夜の闇の恐怖と魅力を小説のかたちで描ききった作家はいなかった

ウールリッチは1903年12月4日ニューヨークに生まれ、1968年9月25日ニューヨークのウィッカーシャム病院の一室で亡くなる。65年の生涯の後半はほとんどをニューヨークのホテルで暮らしたという。

読んだら順次、紹介しよう。面白いこと間違いなし。

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