2018年4月 8日 (日)

八州廻り桑山十兵衛

半年ほど前から佐藤雅美(さとう まさよし)の本を読んでいる。はじめは「八州廻り桑山十兵衛」

当時、毎朝、テレビで再放送されていた西郷輝彦主演の「あばれ八州御用旅」をよく観ていたことから何気なく読み始めた。これが滅茶おもしろい。

現在の関東地方にあたる関八州にたむろする破落戸(ごろつき)どもをふん捕まえる関八州取締出役(俗にいう八州廻り)のお話。

お江戸八百八町は将軍様のお膝元。南北に奉行所もあり、そこそこ取締りも厳しく、そうやたらに悪人どもが闊歩できるわけではなかった。しかし一歩江戸を出ると奉行所の目は届かず悪人どものやりたいほうだい。在のものたちも自主防衛はするがとても追いつかない。そこで幕府は江戸でいうところの同心にあたる関八州取締出役なる警察組織を作って対応したわけだ。

人数はたったの10人。一人か二人は江戸にいて連絡係をするので実際に巡回しているのは8名ほど。

いろんな事件を解決していくストーリーも面白いが、その時代の生活や諸事情などもまた興味つきない。

たとえば、

◆八州廻りが行く先々には指図にしたがう”道案内”とよばれる土地の顔役がいる。江戸でいう岡っ引きだ。

◆関八州では八州様と呼ばれて威厳はすこぶる高いが、江戸に帰れば下っ端役人で誰も相手にしてくれない。

◆八州廻りが「自分駕籠」に乗って廻村するのは禁じられていた。それでも何人かは大名気取りで乗り回すものもいた。江戸の町を巡回する同心のように役得の多い職業であったようだ。あと、馬に乗るものはいなかった。

◆悪党どもは引っ括って江戸に送ったわけだが、囚人をいれる竹籠や付き添う人足、宿の費用など一切合財は悪党が有宿人なら戸籍のある村、無宿人なら事件のあった村などがが負担し、公儀はまったく出費することはなかった。

◆関所破りは捕まると、破った関所まで連れてこられて磔の極刑に処せられた。

◆江戸の我が家に帰りのんびりするのはお正月だけ。よって10月以外に生まれた子供は自分の子かどうか、ちと疑わしい。

などなど。

現在、シリーズで10巻まで出ており、全部読んでしまった。

以前は佐伯泰英の「居眠磐音」や「吉原裏同心」を愛読。これはこれでチャンバラ小説で面白かったが、佐藤雅美の作品群は緻密な時代考証に支えられたリアルな面白さがある。

八州廻りを読み終えたあと、
縮尻鏡三郎(しくじりきょうざぶろう)シリーズ9巻
物書同心居眠り紋蔵シリーズ15巻
を経て、現在
町医北村宗哲シリーズ4巻の第3巻目に入っている。

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